2025

浅野友理子「赤い実の灯火」

ななかまど食堂(福島県耶麻郡猪苗代町新町4931−1)

アクリル絵の具

 

あじわう

 

作家コメント:
今回の舞台は商店街。

この絵を描いた「ななかまど食堂」では街の人たちが日替わりで食堂やスナックを営業していました。
壁画の制作をしながら近所の方に声をかけていただいたり、

信号待ちの車から絵を観る人たちとは何度も目が合います。

バス停の前ということもあって、

統廃合で1つの学校に通う子どもたちが各家々に帰っていく姿が印象的でした。
バスに表示される猪苗代の様々な地域の地名をみながら、

これまでの猪苗代の学校での壁画制作をおもいだしたりして、

このプロジェクトの地続きの確かな繋がりを感じる瞬間もありました。

話しかけてくれた一人の方が「猪苗代の冬は雪でモノクロの世界になる。

冬の間も赤い実をぶら下げたナナカマドは、雪に映えるんですよね」と、仰っていました。

ナナカマドは燃えにくく、七度カマドに入れてもなお燃え残ると言われています。

火がつきにくくて燃え広がりにくいことから、古くは薪炭材として利用されてきました。
猪苗代の街の木でもあり、街路樹や家々の庭木として植わっている小さなナナカマド。

紅葉が進み始めた山間部では、ナナカマドの巨木に出会いました。

1本の木を見つめていくと、枝や葉のつき方、紅葉する速度、みえない根、

それぞれに個性があり、実の一粒一粒も少しだけ人間と重なりあうようにおもえました。
壁画の中に実ったナナカマドが、猪苗代の方々の日々の生活の中でふと目にとまり、

あたたかな存在として愛される絵になっていったら嬉しいです。

 

つくる