野口勝宏‘同じ磐梯山の稜線を見て育った、私からみなさんへ‘
写真
あじわう
これらの花々は、皆さんが暮らすこの猪苗代町で育った野菜の花や庭先に咲いていたものです。
「花はいいね」とはよく言われることですが、自分自身にエネルギーがみなぎっているみなさんにはまだ実感のともなわない言葉かもしれません。
私がこの猪苗代高校で過ごした3年間は、柔道と写真部の活動に没頭し、自宅の天井裏にこもっては白鳥のモノクロ現像をしているような日々でした。
興味の対象は自分の進路や就職、時には恋愛など、こわいもの知らずなのがいいところ、といった時期でした。
若い皆さんが過ごす “人生”という時間軸の中では、苦難な事や解決できない不条理なことにぶつかることもあるでしょう。
私はそんな時、なぜか生まれ育った自然豊かな猪苗代の風景を思いだしていました。
朝夕に雄大な稜線を見せる磐梯山や、太陽に反射する猪苗代湖、そしてあぜ道に咲く野の花など、それらを思い描くことで心が楽になったことが何度もありました。
これからの未来のどこかで、この作品の記憶がみなさんを励まし、猪苗代を懐かしく、そして誇りに思える糸口となれたならとても嬉しく思います。
作品制作にあたりご協力いただきました猪苗代青年会議所の皆さん、そして猪苗代農青連皆様へ深く感謝を申し上げます。
野口勝宏