淺井裕介「野生の合奏」
猪苗代町立猪苗代中学校
猪苗代の土、インドの土、鉛筆、白ペンキ、水、アクリルレジン
あじわう
すべての場所に命は宿り、今日も明日も世界中のあちらこちらで命が生まれている、すべてが連綿と受け継がれ繰り返され繋がっている。人も動物も植物も、有機物も無機物も、あちらこちらでひとつの長大な音楽を奏でるようにどうしようもなく繋がっている。この土地の土を乾燥させ、砕き、ふるい、キメを整え、水と少しの糊を混ぜて教室の中で作られるべき形を探す。多くの人の手を借りながら、日々刻々と変化する。それは命を育てるように、無理をせず注意深く環境や世界に呼吸を合わせる必要がある。
言葉にすると、なんのことだろう? よくわからないなって君は思うかもしれない。僕だって正直、完全にうまく言えている自信はない。それでも一心に精一杯の勇気と言葉にならないような気持ちを込めて絵を描いていると、いつしか絵を見ている自分は、実は絵や世界に見られている自分であることに気づいたりする。 三年後には学校の建て替えで消えてしまうこの場所に来てくれて見てくれて、ありがとうございます。
つくる